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『エイジ』 重松 清

うまいなあ、この人。すごくうまい。
心の描写とか、描かれる状況とか、よどむところがなくて。あっという間に世界にひきこまれてしまった。ひきこまれてしまった世界は、誰しもがとおる「中学生だった時」。

郊外のニュータウンに住む主人公エイジ14歳。友人らや家族とのたわいない日常の中、
地元で起きている連続通り魔殺人の犯人が、自分の前の席に座るクラスメートだった――。

「90年代最後の少年文学」と帯にある。最後の・・・との評は、他のものを読んでいないのでわからないけど、90年代という時代性はたしかに描かれている。
設定は今どきの事件性を盛り込んでリアルだけど、文体は奇をてらうことなく自然。中学生という微妙な年代を丁寧に書いてあると思う。


あっという間に読んだ。そして、後味もすごくよかった一冊。
ひさしぶりに行った図書館で、ほかにも数冊並んでいたんだけど、まずはkazlogさんからのオススメのコレにした。『ビタミンF』、『日曜日の夕刊』、そして『定年ゴジラ』と、もう少し重松清をあじわってみようと思う。


エイジ
重松 清
朝日新聞社
1600+税

『エイジ』は、その後文庫化され、昨年は新潮文庫としても出版されているようだ。文庫に掲載されているあとがきも読んでみたいと思う。


・・・とさっそくまた図書館へ行こうと思うけど、その前にもう一冊借りてきた本がある。以前から気になっていた『嫌われ松子の一生』山田宗樹著。偶然にも重松清が、帯に言葉を寄せていた。
「一晩で読了した。ページを繰る手をとめられなかった。夜明けの訪れとともに本を閉じて、泣いて、惚れた・・・・・・・・」と書いてある。読まねば。
by book_cafe | 2005-01-14 19:46 | __ 小説帖
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