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「退歩的文化人」のススメ

b0020735_1258176.jpg「退歩的文化人」のススメ


嵐山光三郎
新講社
2004年9月9日発行

1429+税




表紙がいいでしょうー。すごく趣味がいいね。
「人生の醍醐味は『退歩的』生き方にあり」と、書名の横に小さく書いてある。

じっくりと味わいのある内容と文章。笑わせてもらったし、うなってしまったし。
かなりおもしろいよ。たくさん買い込んで、友人たちに配って歩きたくなっている。
本文は読んでからの愉しみとして、前書きを少しだけ引用。

退歩は、逆まわし映画とは違って、世間が進歩しているのに、自分だけが後方へさがる行為である。テープのように、人生を逆戻しするわけではない。
やってみると勇気がいる。なれてくると後頭部に豆電球のような目玉がつくのだ。それに、ずりさがることによって、風景が左右に開いて進んでいく。快感がある。
昔の剣豪は正面を向きあって勝負をした。いまは後方から銃弾がとんでくる。バットで撲殺されるのも後方からが多い。と考えてみると、人間が後方に対していかに無防備であるかがわかる。
未来という不確かな世界は、じつは後方にその実感がひそんでおり、幾多の人が後方見聞録を書いていた。逃げるのではない。ひたすら退歩するのである。退って退って退りつづけると、少年時代の素の自分に出会うことになる。
 --(中略)--
頭のうしろに目玉をつけると、世界はまるで違って見えてくるのだった。



勝手に喜んでいるんだけど、初版がわたしの誕生日。昨年のこの日、わたしは沈うつな思いで誕生日を迎えたんだよなあ、と思い出した。思い出したけど、この本が、そんな誕生日に発行されたと知って、じぶん宛の贈り物のようにも感じた。ご都合主義だけど。
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by book_cafe | 2005-02-11 13:30 | __ 書物棚
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