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あくまでも、自分。
昨晩は、森茉莉のことをテーマにしたエッセイ『贅沢貧乏のマリア』(群ようこ)を読んでいた。
森茉莉は、気になる作家のひとりだったので以前何冊か買って持っているくせに、作品そのものは未だに読んでおらず・・・。古本屋の棚で、群さんのこの本を目にした時、あ、今晩読もう、とそんな気になった。
群ようこの書く森茉莉なので、彼女の目線が反映されているわけだけど、どうしたらこんなにも、自分のままでいられるんだろう、と思いましたよ。人となりは、なんとなくいろんな記事から知っていたつもりだったけど。

とにかく世俗に対して、あくまでも自分であることを、ごくあたりまえに貫いた人という感じ。まったくもって反骨の人というわけじゃないし、自分であろうとかたくなに構えていた人でもなく。
この彼女の気質は、森鴎外(#“おう”の字は鴎の旧漢字)の娘として生まれ、父親に溺愛されて育ったわがままなお嬢様ということだけでなく、強い美意識ゆえのプライドやこだわりを、何事があっても失わないでいられる、天性のものなんなんだろうと思う。彼女の思い込みの激しさや自分中心の考え方には、あっぱれとすら思ったもの。

彼女自身の作品をまだちゃんとは読んでいないけど(なんとなく読む気にはなれなくて)、立ち読み程度に読んだ彼女の文章からもうかがい知れる感じ。
彼女の文壇デビューはとても遅く、54歳になった時。安いアパートの自室で、ゴミの山(彼女にとっては宝の山)に埋もれて孤独に亡くなったという話は、わりに知られているエピソードで、この最期がまた、彼女という人物を興味深くさせるのだけど、同時になんとなく悲しくもさせる。
やっぱり、まだ作品そのものを読む気にはならないんだな、なんでだか。
いずれ、読もうと思う時がくると思うから、それまでとっとこう。
作品を読んだら、また彼女への感じ方が変わるかな。

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『贅沢貧乏のマリア』
群ようこ
角川書店
1428円(税込)
#角川文庫版、460円もあり。
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by book_cafe | 2005-02-23 19:27 | __ 書物棚
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