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あくまでも、自分。
昨晩は、森茉莉のことをテーマにしたエッセイ『贅沢貧乏のマリア』(群ようこ)を読んでいた。
森茉莉は、気になる作家のひとりだったので以前何冊か買って持っているくせに、作品そのものは未だに読んでおらず・・・。古本屋の棚で、群さんのこの本を目にした時、あ、今晩読もう、とそんな気になった。
群ようこの書く森茉莉なので、彼女の目線が反映されているわけだけど、どうしたらこんなにも、自分のままでいられるんだろう、と思いましたよ。人となりは、なんとなくいろんな記事から知っていたつもりだったけど。

とにかく世俗に対して、あくまでも自分であることを、ごくあたりまえに貫いた人という感じ。まったくもって反骨の人というわけじゃないし、自分であろうとかたくなに構えていた人でもなく。
この彼女の気質は、森鴎外(#“おう”の字は鴎の旧漢字)の娘として生まれ、父親に溺愛されて育ったわがままなお嬢様ということだけでなく、強い美意識ゆえのプライドやこだわりを、何事があっても失わないでいられる、天性のものなんなんだろうと思う。彼女の思い込みの激しさや自分中心の考え方には、あっぱれとすら思ったもの。

彼女自身の作品をまだちゃんとは読んでいないけど(なんとなく読む気にはなれなくて)、立ち読み程度に読んだ彼女の文章からもうかがい知れる感じ。
彼女の文壇デビューはとても遅く、54歳になった時。安いアパートの自室で、ゴミの山(彼女にとっては宝の山)に埋もれて孤独に亡くなったという話は、わりに知られているエピソードで、この最期がまた、彼女という人物を興味深くさせるのだけど、同時になんとなく悲しくもさせる。
やっぱり、まだ作品そのものを読む気にはならないんだな、なんでだか。
いずれ、読もうと思う時がくると思うから、それまでとっとこう。
作品を読んだら、また彼女への感じ方が変わるかな。

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『贅沢貧乏のマリア』
群ようこ
角川書店
1428円(税込)
#角川文庫版、460円もあり。
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by book_cafe | 2005-02-23 19:27 | __ 書物棚
賢く、格好いい女性。
ランティエ叢書から出ている『美しくなるにつれて若くなる』(白洲正子)を読んだ。

買ったまま、ほっておいたのを先日のかたづけで見つけて。ちらっと目を通したらなかなかおもしろくて、ぐぐっと読みました。内容は、よくある「こんなふうにしたらすてきな女性になれるわよ」というものではなく、もっと人としての核心をついたもの。彼女の語りのように綴られている。
自分の生き方に、しっかとしたスタイルを持っている彼女だからこそかもしれないけど、あらゆる物事を率直に語る姿勢が格好いい。やさしさと厳しさの両面が読み取れる。
ハンサムで快男児な白洲次郎さんとの関係性も暮らしぶりも、すてきなものですもんね。
近くにこんな叔母さまがいたら、いろいろと見透かされ、痛いところをつつかれそうだ(苦笑

b0020735_14164932.jpg 『美しくなるにつれて若くなる』<ランティエ叢書>
白洲正子
1050円(税込)
角川春樹事務所




#それにしても、ランティエ叢書のセレクションは渋い。『古本とジャズ』(植草甚一)と『スコッチと銭湯』(田村隆一)もよかった。まだ欲しいのが数冊あるんだな。
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by book_cafe | 2005-02-20 14:27 | __ 書物棚
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『hinism』、到着しました、2号と3号。
午後の時間を使って、しばしページをめくりました。
……ので、「何かがひそんでいそうな雑誌」を再編集しました。
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by book_cafe | 2005-02-18 18:51 | __ note 「... 」
何かがひそんでいそうな雑誌。
『hinism(表記はsの字が、& の逆さになったもの)』。ヒニスムと読むらしい。南青山にあるWALLというギャラリーが編集・発行した雑誌、とのこと。
知らなかったんだよね、周辺の本屋さんに並んでいなかったから。
偶然にもサイトで見つけて、オンラインで注文した。
なので中味はまだ見ていないんだけど・・・。でも、およそ気に入るであろう感じが表紙から感じられて。b0020735_19245795.jpg
0号のテーマは「Craft」。「日々にみる、日常にいきる、日本に住む、そして日本に宿る」、「心と手業の形を見つめることから始まる」などなどがコンセプトらしい。

最近、なんだか懐古な気分。触れたいものは、むかしの生活の中にあるような気がしている。

感想文を読む ...>>
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by book_cafe | 2005-02-15 19:42 | __ 雑誌箱
blogも部屋も少し整理、な連休1日目
ライフログに、本を追加。そして入替。連休だしね。
病的に買っている「食」についての本を何冊か。
最近はあまり買っていないので、少し古いものもあるかもしれない。
それにしても、なんだかオヤジ系。
中でもオススメというのを、近日にでもレビューしてみたいと思ってます。

あー、それにしても寒い。冷え冷え。
カラダを動かそうと部屋の掃除をはじめたものの、そこらに
山になっている本や雑誌を読み始めて脱線が続く。かたづかない。
明日も、あさってもあるから、まあいいか。
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by book_cafe | 2005-02-11 16:17 | __ note 「... 」
「退歩的文化人」のススメ

b0020735_1258176.jpg「退歩的文化人」のススメ


嵐山光三郎
新講社
2004年9月9日発行

1429+税

...>>
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by book_cafe | 2005-02-11 13:30 | __ 書物棚
ヴィレッジヴァンガード再考
ひさしぶりに投稿。

ブックカフェの物件探しに少し動きがあって、バタバタしていました。
構想はそれなりに立てていたつもりだったけど、いざ物件を目の前にすると、より具体的に考えられるということで、書類を作ったり、電卓をたたいてみたり、人に会って話を聞いたり、と濃い日々でした。
に、加えてひさしぶりに編集のシゴトの依頼も。働いている時間なんてないよぉ、なんて気分ではありますが、稼ぐ必要もあり・・・と打合せに出向いたり、企画を考えたり、あれこれと机上に向かう日々でもありました。

そんな間に読んでいた本。『菊池君の本屋~ヴィレッジヴァンガード物語』(永江 朗著)。
以前から読みたいと思っていたけど、地元の書店の棚にはなくて、いつの間にか忘れていて。先日、ブックオフの100円コーナーで見つけて、さっそく購入。
おもしろかった。
「本屋、はじめました」的な本は、それなりに読んでいたけど、これはとっても参考になったな。
ヴィレッジヴァンガードのことだから、っていうのもあるかもしれない。やっぱり独特だから。
初版が1994年。もう10年以上も前になるのに、色あせてないんですよね、考え方が。
それだけ、書店業界というのは旧態依然としているわけなのね、きっと。

今現在は小さなブックストアがあちらこちらにあって、また少し、業界が動いている気がするけど、ヴィレッジヴァンガード以降、新しい考えを持って業界に新風を送ってくれる本屋はできていないような気がする。

Ⅰ章の永江さんのリポートも突っ込んだものだったし、Ⅱ~Ⅵ章の菊池さんの語りも、具体的で参考になるものだった。Ⅶ、Ⅷ章は「経営戦略」をテーマにした対談。ブックガーデン(!?)の販売部長である江口さんという方との対談では、「菊池さんの店っていうのは、エディター感覚、エディターシップを楽しんでいるよね」と。編集する本屋、というワードが登場してた。
リブロの今泉さん×菊池さんとの対談では、今泉さんが「空間全体に味わいがある」とヴィレッジヴァンガードを評していましたよ。
ヴィレッジヴァンガード的な空間を好きか嫌いかは別として、書店という空間にも味わいがあってしかるべし、とわたしもすごく思う。(つねづね、古本屋のほうが居心地がいいと感じていたのは、そういうわけだったのかもしれないな・・・)
「読者が本屋に入って、あるイメージを受ける、感動を受けるというのは、単純に商品を見つけて買うということだけではありませんね。むしろ、その商品を置いてある書店が気に入るかどうかが重要です。それは本の配列が十進分類法的に整然としているというよりも、棚全体がまとまって何を表現しているかということで。それが読者にとっては『よく揃っている』という言い方になるのでしょう」
とも話していた。ふむふむ、です。往来堂書店にもつながるはなしですよ、これは。

カフェの空間の中に、本の棚を作ろうと考えている(本屋の空間にカフェを作ろう、にはならないあたりが残念ですが)、、これからのわたしにとっては、とても気にある言葉でしたよ。ほかにも印象深い話や考え方がたくさん。
ひさしぶりに行ったブックオフで、めぐり合うべくしてめぐり合ったという感じの一冊。折をみては、ページを開くような気がする。
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by book_cafe | 2005-02-07 01:10 | __ note 「... 」