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『ビタミンF』 重松清
ビタミンというより、温湿布のような。

Family、Father、Friend、Fight…とFで始まるキーワードを盛り込んだ短編。2000年、124回目の直木賞受賞作品。

家族の物語を大きなテーマに持っているという重松さんらしい作品。前書きで、「――結局はFictionであり、乱暴に意訳するなら「お話」の、その力をぼくは信じていた」と作者が語っていたけど、その言葉もまたいいなあと思った。
どの作品も、さすがだと思う話しの流れ。遠からずのリアルな空気感が心の中のどこかの焦点と合って、ぐいと惹き込ませるものがある。
ビタミンというより、温湿布みたいにじんわりあったかくなって、痛みとか疲れとかをゆっくり癒してくれる感じ。

ビタミンF
重松清
新潮社
1500+税
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# by book_cafe | 2005-01-23 14:28 | __ 小説帖
2005-1-16 ..... black20%ぐらいの空。ひえびえ。

amazonで注文した本が届いた。
『本屋さんになる!』
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まったくもって金欠なので、本を買うことを自制しているんだけど、なんだかこの本は買っておかなくてはと思った次第。
立ち読みをすることなく買ったので読んでみなくちゃわからないけど、これからの自分事の参考になればいいなと思う。
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# by book_cafe | 2005-01-16 14:34 | __ 買った本・気になる本
感想を書く。

逃避かもしれないなあ、と思ったりして、考えてた。

小説は読み始めると止まらなくなって、数時間は日常をおきざりに、没頭する。
ノンフィクションがすごく好きで、むさぼるように読んでいた時期もあった。誰かの何かの物語に触れるのはとても得がたい体験だし、読んでいるその間、自分が別のところにいる感覚が心地よくもあって、物語を読む時間を大切にしてた。
ここ数年、小説は年に数冊ほどだったけど、年明けからいきなり、すごく読みたい気分になって、読んでいた。

で、今の状態が、たとえば逃避だとする。何からの?
わからない。
わからない、・・・そんな感じが昨年後半から続いていた(正確には続いている、のかも)。
むかしは、怒ったり泣いたり、笑ったりも、常に敏感に反応してたし、好きとか嫌いの感覚もはっきりあった。自分の気持ちに対して貪欲だったから、「わからない」と答えを出せないこの状態を鈍くなったのかなあ、なんて思ったりもした。反面、「世の中、カンタンに答えを出せないぼやけた感覚というのもあるもの。歳をとって、まあるくなったのかもしれないね、自分」なんて思ってもしてた。
でも、わからない自分のことを、ただほっておいただけかもしれない。
「触れるまで」なんて、ただの言い訳かもしれなかった。
どう思うとかどう感じたとか、むかしならば、なにを観ても聴いても、自分の中でなにかしらの感想があったし、答えもあった。人生の難問(!? 笑)にも、なんとか自分なりに答えを出してきた。
そのことに、ここ数日、blogに小説の感想を書いていて気づいた。
感想を書くことは、どう思ったかなわたし、どう感じたんだろうわたし、と自分に向き合う作業なはず。それ、忘れてた。


とりあえず書こう。ただ、つらつらと。
本を読む、映画を観る、町を歩く、おしゃべりする、食べる、ニュースを見る、どんなことでも、感じたり想ったりってあるはず。自分の中のそういう感覚、見逃したらダメでしょう。「わからない」と思う、そのあいまいな感覚の答えがひそんでいるかもしれないし。
鈍くなったかも、なんて歳のせいにするなって。
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# by book_cafe | 2005-01-15 21:35 | __ note 「... 」
『嫌われ松子の一生』 山田宗樹

ほぼ370ページの人生。

九州から上京し、二年目の夏を迎えた大学生・川尻笙は、突然の父の訪問で三十年以上前に失踪した叔母・松子の存在と、その彼女が最近東京で何者かに殺されたことを知る。松子の部屋の後始末を頼まれた笙は、興味本位から松子の生涯を調べ始める。それは世間知らずの彼にとって凄まじい人生との遭遇だった――――――。


ふぅ。・・・が読後感か。
ふとした出来事で「人生の歯車が狂った」松子という女性が、生きて生きて生きて、その最期、見知らぬ相手によって殺害され死んでいく。

人生に見えない歯車があるとして、それは一度狂ってしまったら、正しく戻れないものなのだろうか。松子はなんどだって、前を向いて生きようとしていたのに。
狂った歯車がもとに戻ることなく生涯を終えた松子の人生は、救われない気がしてせつなくもなるが、最期まで「愛」という感覚を捨ててなかった松子がいとおしくなる。

わたし。わたしはどんな人生を送っているんだろう。考えてみたが、自分の人生なんてたやすく客観視できるものじゃない。それでも、ちゃんと生きているだろうか人生を、なんて考えてしまった。370ページのせつなくていとおしい松子の人生が、あまりにも深くて、短いものだったからかもしれないけど。


嫌われ松子の一生
山田宗樹
幻冬舎
1600+税
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# by book_cafe | 2005-01-15 20:03 | __ 小説帖
『エイジ』 重松 清

うまいなあ、この人。すごくうまい。
心の描写とか、描かれる状況とか、よどむところがなくて。あっという間に世界にひきこまれてしまった。ひきこまれてしまった世界は、誰しもがとおる「中学生だった時」。

郊外のニュータウンに住む主人公エイジ14歳。友人らや家族とのたわいない日常の中、
地元で起きている連続通り魔殺人の犯人が、自分の前の席に座るクラスメートだった――。

「90年代最後の少年文学」と帯にある。最後の・・・との評は、他のものを読んでいないのでわからないけど、90年代という時代性はたしかに描かれている。
設定は今どきの事件性を盛り込んでリアルだけど、文体は奇をてらうことなく自然。中学生という微妙な年代を丁寧に書いてあると思う。


あっという間に読んだ。そして、後味もすごくよかった一冊。
ひさしぶりに行った図書館で、ほかにも数冊並んでいたんだけど、まずはkazlogさんからのオススメのコレにした。『ビタミンF』、『日曜日の夕刊』、そして『定年ゴジラ』と、もう少し重松清をあじわってみようと思う。


エイジ
重松 清
朝日新聞社
1600+税

『エイジ』は、その後文庫化され、昨年は新潮文庫としても出版されているようだ。文庫に掲載されているあとがきも読んでみたいと思う。


・・・とさっそくまた図書館へ行こうと思うけど、その前にもう一冊借りてきた本がある。以前から気になっていた『嫌われ松子の一生』山田宗樹著。偶然にも重松清が、帯に言葉を寄せていた。
「一晩で読了した。ページを繰る手をとめられなかった。夜明けの訪れとともに本を閉じて、泣いて、惚れた・・・・・・・・」と書いてある。読まねば。
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# by book_cafe | 2005-01-14 19:46 | __ 小説帖
2005-1-8 ..... 夜半過ぎ、雪止む
ここ数日は、いつも見にいっているblogサイトに夜な夜なおじゃましていた。
みなさん、変わらず読んでいるなあ、と感心することしきり。
・・・今年もお世話になります。;-)
で、わたしも、日々の本読みの記録はちゃんと書いていこうとあらためて思った次第。
カテゴリに「買った本・気になる本」を追加しました。買ってみて読んでみて、私的に○な本や雑誌は、それぞれ、書物棚、雑誌箱に入れていこうと思います。

b0020735_047251.jpgということで、今年一番最初に買った本が『一食入魂』。今、眠る前の数分にちょこちょこと読んでいるところ。
本文が日記形式になっているのもあって、そんな読み方が合っているように思う。タイトルに惹かれたのよね。気合いに満ちてて(笑

これから買いたいとチェックしているのが『恥ずかしい読書』。本屋でぱらぱらと立ち読みしたんだけど、いいかも、と思った。永江さんの著作はいつも魅力的な書名よね。今度書店行ったら、きっと買うだろうなあと思う。
b0020735_0474020.jpg気になっているのが『手からこころへ』。年が明けてから、日本的なものがすごく気になっていて。伝統とかしきたりとか、心のありようとか、そういうこと。「食」への興味はあいかわらずなこともあって、辰巳さんの本は、どれも大切にしているものばかり。料理の手順だけじゃなく、忘れてしまいたくないようなことを教えてくれる。
残念ながら、この本が地元の書店に並んでいるのをまだ見ていないだけど、書名が中味を伝えてくれている気がするな。

b0020735_0475983.jpg『一食入魂』 -- 小山薫堂
『恥ずかしい読書』 --永江 朗
『手からこころへ』 -- 辰巳芳子






・・・でもほんとは、今、ものすごーく物語が読みたなあと思っていて。でも、何を読んだらいいものか――。たとえば、話題になった『世界の中心で愛を・・・』なんかは、出版された当時、書名が刺激的だったので読んではみたものの、まったく食い足りないものでした。その後の作品も読んだけど、主人公の存在が前作と似ていて途中で厭きた。それからというもの、そういう系(どういう系!?)を読んでいない。ぐっとこないんですよね、なんでか。私自身の感性、のようなものが歳をとったということなのでしょーか。
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# by book_cafe | 2005-01-08 01:33 | __ 買った本・気になる本
2005年は...
あけましておめでとうございます。

新年5日めにしてようやく始動です。
年末年始は、とてものんびり過ごしていました。
初詣は3日に。縁結びの御利益のある神社へ。
縁結びって、男女のご縁をお願いするものと、長いこと思っていましたが、たとえば安産祈願にもよかったり、さまざまな「縁」に、御利益があると聞いたので。
よい「縁」に恵まれますよう、お願いをしてきました。

おみくじは「大吉」。
---何事も末の見込がある改めかえてよい運です、と。うれしい一文です。
気になる商売については、「見込確かなれば儲有」。
たしかにそうでしょうとも、と思いつつ真摯に受け止めました。

2005年。志も新たに、前向きに過ごしていきたいと思っているところ。
いっぱい笑いたいし。
このblogも、看板部分に少し手を入れました。
リニューアルを試みたときになんとなく作っていたもので、新しい年ですし…と、微調整しながらはめてみました。いじっていてたのしかった。
本の紹介もせずに看板づくりにハマってしまって、book_cafeとしては、本末転倒ですが(苦笑


今年もどうぞよろしくお願いします。
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# by book_cafe | 2005-01-05 14:30 | __ note 「... 」